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まちづくりプランの作成
「学研都市の環境共生的まちづくり支援のための屋外温熱環境調査」
 ●研究の目的
 我が国では、地球温暖化防止等の地球環境保全を促進する観点から、近年、環境共生住宅建設推進事業(平成4年)や環境共生住宅市街地モデル事業(平成5年)等が創設され、環境共生をテーマとした地域・建築計画が数多く実施されています。学研都市もその例外ではなく、「人」と「緑」と「知」が織りなす新しいまちづくりというテーマの下、環境共生的なまちづくりに取り組んでおり、自然の環境調整能力を活かした地域及び住宅計画(ハイコンタクト)は、一つの回答と言えます。このような計画を普及させるには、対象地域の局所的な風環境等も考慮した詳細な環境情報の整備及び特性把握が必須となります。また、今後の開発計画を踏まえた環境変化の予測も必要となります。従って、本研究では、長期実測、短期移動実測及び数値シミュレーションにより、学研都市周辺の環境情報の整備(開発後の環境予測も含む)を行い、学研都市における環境共生的なまちづくり支援を行うことを目的とします。まず第1段階として、夏季を対象とした屋外温熱環境の実測を平成16年8月から実施していますので、その実測概要及び結果に関して報告します。
 ●実測概要
 実測は、経年的な変化から日変化までの長期的且つ非定常な現象を把握するための長期実測と詳細な空間分布を把握するための短期移動実測の二種類を実施します。
長期実測
1)気象観測装置による測定
学情センターの屋上に図1に示す気象観測装置を設置しました。サンプリング間隔は、1時間。学研都市の高さ30mの地点にて、風向風速、温度、湿度、日射量、雨量、気圧を測定します。
2)温湿度計+小型百葉箱による測定
図2に示す温湿度計を小型百葉箱の中に入れまして、学研都市内の代表的な地点計15点に設置しました。サンプリング間隔は、1時間。地表面から2〜3mの高さに設置しました。
短期移動実測
学研都市内の計41地点を対象として、図3に示す測定装置を用い、移動実測により屋外温熱環境を測定します。測定地点は、主に人の通る、利用頻度の高い地点を対象としている。屋外条件がほぼ安定する夏季日中の11時から14時の3時間のみ実施します。測定項目は、日射、長波長放射、気温、湿度、風速です。
 ●実測結果の概要(長期実測の結果のみ)
 図4に示すように日中は、学研北東部の緑地(風上側)がクールスポットとなっており、住宅地や風通しの悪い道路、近隣公園付近で高温域を形成しています。夜間は、学研都市北部の森林がクールスポットとなり、主要道路沿線で高温となっています。これは、日中の日射熱を道路では吸収・蓄熱し(森林では反射)、夜間に放熱しているためと考えられます。
その他の実測結果の詳細に関しては、※添付ファイル(PDF)を参照ください。
 ●まとめ
 学研都市の環境共生的なまちづくり、建築設計に必須となる屋外温熱環境を夏期実測により解明しました。日中の卓越風向を考慮した街区レベルでの風通し、街路樹による日影や道路への蓄熱の防止、クールスポット(風通しの良い緑地)の活用等の重要性が示唆されました。今後、更に実測を重ねデータサンプル数を増やすと共に冬期実測等も行う必要があると考えます。

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