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「北九州学術研究都市の風環境シミュレーション」
 ●研究の目的
 学研都市は、土地区画整備事業として平成8年度より整備が開始され、平成14年度より北部エリアの第二期事業がスタートしました。第二期事業では大規模造成が予定されており、これに伴い周辺地域の風環境が大きく変化するものと予想されます。
 従って、本調査では第二期事業前後の風環境を数値シミュレーション(CFD解析)により予測・評価し、風速の加速領域及び減速領域を特定し、風環境の形成メカニズムの解明を目的としています。また、将来的には学術研究都市の適風環境形成のための設計資料の提供及び防風対策の提案を意図しています。
 ●研究方法
1. 学研都市の風向・風速特性
 AMEDAS観測所(八幡)において測定されたデータを基に整備された拡張アメダス気象データを学術研究都市の風向・風速特性データとして代用しました。八幡地区は、学術研究都市より南東5kmに位置します。このデータよると、学術研究都市の卓越風向は、「北西(昼間)」及び「南南西(夜間)」(補図参照)、平均風速は約2m/s(測定高さ地表から6.5m)です。これを後述するCFD解析の境界条件として活用します。
2. 解析概要
解析領域
図1に示すように学術研究都市を含む水平方向4km(X)×2.5km(Y)、鉛直方向0.5km(Z)の解析領域を設けます。地表面は、DXFデータより3次元的な複雑形状を再現します。 解析ケース
地形データ2パターン(現況と第二期事業後)、風向2パターン(昼間と夜間の卓越風向)、計4ケースの解析を行います。
その他の解析条件
格子系は地表面近傍のみ3層のプリズムメッシュ(第1層の厚みは1m)を配置し、他の領域はテトラメッシュによる非構造格子。現況の地形データの場合の要素数は3,123,735個。第二期事業後の場合も同程度の要素数です。
 ●解析結果の概要(昼間の卓越風向時の解析結果のみ)
 第二期事業地区の風下側は総じて、風速が増加する傾向にあります。北側の宅地予定地A(図2, 2))では、事業後に「盛土」により地表面が高くなることと、風上側の丘陵が「切土」により無くなったことにより結果的に、風速が大幅に増加する(最大で2倍程度)。第二期事業地区より南側のエリアBでは、北側の丘陵地が平坦となること(切土)により、風速が数割増加します。この地域では風上側の丘陵頂部で剥離した流れが再付着します(図省略)。第二期事業エリアの南側Cでは、事業後に残される丘陵(緑地)付近において風速値の大きい領域(2m/s以上)が拡大します。第二期事業エリアの西側Dでは、丘陵地を造成することにより事業前と比較して風速は低減しますが、他の平坦な領域と比較して風速値は若干大きくなります。
解析結果の詳細に関しては、※添付ファイル(PDF)を参照ください。

 ●まとめ
1) 第二期事業後は現状よりも地表面近傍において風が強くなる可能性が高いと考えられます。学術研究都市の現状の風環境は、周辺地域と比較して一般に「風が強い」という印象があるだけに、今後の防風対策を検討する必要があると考えられます。
2) 今後、土地利用状況やその他の物理条件(日射等)や建物形状を考慮したCFD解析を行い、適風環境形成のための設計資料の提供及び防風対策の提案を行う予定です。

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